足早に会場である芸文館に向かうと、出場選手とみられる子供とその家族の姿がどんどんと増えてきました。否が応でも緊張感が増します。
受付で記念品として大会冊子、メダル、詰め将棋の本(残念ながら持ってたやつ)、ビスケットなどを頂き、その後に予選の対局組抽選がありました。
雪風は高学年のL組に決まりました。
大会規模からすると棋力的には少し厳しい感じもありますが、相手次第では予選突破も十分に狙えると思うのでここはがんばって欲しいところ。次も来られるとは限らないので余計にです。
L組は雪風の他に石川、山梨、山口、秋田、佐賀、岐阜、大分の代表がそれぞれ参加していましたが、どのくらい強いのか見当もつかない相手ばかり。それに当たり前ですが出場者は六年生と五年生が多く、L組で四年生は雪風だけでした。
前夜には「優勝するって」とか適当な事を言って雪風を励ましたりもしましたが、その実、嫌な予感しかしません。
開会式が終わると出場選手全員並んでの記念撮影があり(後日写真を頂ける模様です)、その後は全員一斉に舞台上の対局席に着きます。
さあ対局開始というところで三分間、保護者のための写真撮影時間が設けられていて、皆さんこぞって舞台上の我が子の写真を撮りまくっていました。もちろん僕も喜び勇んで参加しましたよ。
そして対局が始まりましたので、僕も現実逃避を始めました。予選から三連勝しないと本戦には出られないので、親としてはかなり厳しい条件なんですよね。
一回戦の相手は石川県代表の六年生で、実力がまったく分からないのでハラハラしながら遠目で眺めていましたら、次第に盤上の差し手が雪風の陣側に移り始め、いよいよと思っていたらやっぱり負けてしまいました。
一回戦を落としたので、これでもう本戦入りは果たせないことが確定。
もちろん落胆もしましたが、逆に少し気持ち的には楽になった部分もあったように思います。
雪風はというと気を落としながらも二回戦へ。相手は山口代表の五年生で、激戦にはなったらしいのですが、ギリギリで勝ちを掴みなんとか一勝を挙げました。
三回戦は大分代表の六年生。
やはりどの県も代表となるとまったく緩くないんですよね。良い勝負にはなったみたいですが、これも落としてしまい結果は一勝二敗で予選落ちとなりました。
僕もこれだけ将棋活動をやっていると関西圏でなら知ってる出場者の子も何人かいたんですが、その子達の大会成績とかも比べて見てみてもやっぱり全国の壁は厚いな、と実感しましたね。将棋が強い子なんていくらでもいるようです。心折れるわ。
その後はプロ棋士との指導対局があり、雪風は菅井先生と二枚落ちで勝たせてもらい、少し気分転換になったようです。やっぱり将棋は勝たないとね。
当の雪風はと言うと、全国の舞台での実力不足を相当実感したようで、静かに闘志を燃やしていたように感じました。
まあ、貴重な経験には違いないので、それが何か少しでも今後の糧になってくれれば良いかなと思います。
そういえば大会進行中に今泉先生の姿をお見かけしたんですが、零戦が持参していた著書にサインをお願いしたら快く書いて下さいました。
『夢』
たぶん、全国大会に来ていたからとかじゃないんです。書いてくれたのが今泉先生だったからですかね。
そこがどこであろうと、諦めていない限り立っている、今、この場所こそが、夢の舞台。
そんな感じがしました。
最後に。
結果は少し残念でしたが、親を全国大会に連れて行ってくれるなんて本当に親孝行な息子だと思います。もちろん本人にも伝えましたが、もう一度、
ありがとう
平成31年1月5日、父ちゃんより